働くピアニスト・抗がん剤との闘い記録

働きながら、ピアノを弾きながら、抗がん剤に挑戦中

副作用ってどんな感じか

ブログ、しばらく空いてしまいました。7月初めから抗がん剤を始めました。週1回×3回+1週休み=1クール、というサイクルで、現在は1クール目の1週休みに入ったところです。

抗がん剤を始める前は、経験者の方に「どんな感じなの?」と訊いても「人による」とか「いろいろ」と、漠然とした情報しか得られませんでした。自分が体験したら文章にしてみようと思っておりました。

そして1クール終わった感想。まず、想像していた感じとはだいぶ違います。専門的なことは曖昧にしか把握していないのですが、抗がん剤は「ガン細胞」を攻撃するとともに、正常な細胞をも同じく攻撃してしまいます。だから、どの正常細胞に症状が現れるか予測できず、「人による」だったり「いろいろ」だったりします。
その人の弱いところに出る、といった感じでしょうか。つまり、もともと胃腸が弱い人は便秘や下痢になるかもしれないし、皮膚が弱い人は湿疹が出たり口内炎になったりするかもしれません。そして免疫力が下がるので、傷や風邪などの体調不良が治りづらくなります。
私の印象を一言で言うと、「今まで自動だったのが手動になった」です。今までは、少々不具合があっても、身体の方で適当に良きに計らってくれていたのが、全部いちいち症状が出る感じがします。ちょっと無理をすると熱を出すし、蚊に刺されて放っておいても治らない、とか。その都度対症療法でなんとかしていかないといけません。

私はこう思いました。対症療法で後手後手で対応するのはいやだから、抗がん剤を投与したら即刻「デトックス」すればいいんじゃないか、と。ただ、ガンを攻撃しようとする分までデトックスされたらイヤなので、とりあえず「抗がん剤の翌日」からデトックスを心がけるようにしました。具体的には、お風呂に何度も入る、運動をする、マッサージに行く、水分をたくさん摂る、といったことです。
これがうまく作用したせいかは分かりませんが、私の副作用はかなり軽い方だと思います。

まず1週目。抗がん剤当日は「ちょっとだるいかな」程度でした。2日目、炎天下に外出(外を相当歩いたし)したせいか、倦怠感がひどくなって少し横になるはめになりました。3日目、音楽仲間とアンサンブルの練習(結構真剣なやつ)をしたせいか、その後ダウン、発熱。4~6日目は倦怠感はなかったですが、全身筋肉痛が出ました。

そして2週目。1週目で「無理をしたら発熱する」と学んだため、無理をしないようにソロリソロリと生活したところ、発熱することはありませんでした。ただし、全体的に食欲が落ち、体温が35度台をウロウロしていました。

3週目。倦怠感や発熱といった体調不良はほとんどありませんでしたが、恐れていた足のしびれと、少し味覚障害(塩を強く感じる)、少し手に湿疹が出ました。そして、脱毛が始まりました。
この週は、アンサンブルの大きな本番(2時間弾き続ける)があったのですが、特に問題なくこなすことができました(出来はともかく。。)。

そして4週目(休みの週)。足のしびれ以外の副作用はほぼなし。ときどき疲れて横になることはあります(数日に1回程度)が、あとは健康な人と同じです。

1週目が一番キツかったです。それ以降は、自分でも慎重になったことと、おそらく薬に体が慣れたせいで、だんだんラクになりました。もちろん、2クール、3クールと回を重ねるごとに、抗がん剤が体の中に蓄積されていく分もあるので、今後どうなるか分かりません。でも、思っていたより自分で対処できるし、受け入れていけるのが分かりました。
また、どういう副作用がその人にとって辛いか、というのも人によって違うので、「出てほしくない副作用が出るかどうか」も大事なポイントだと思いました。私は毎日詳細に体調・副作用・食事内容などを記録しているのですが、「脱毛」をほとんど辛く感じていないあまり、書き記すのを今日まで忘れていたほどです。私にとって一番恐れているのは「手のしびれ」なのですが、幸いなことに今のところ手は無事です。